研究課題
基盤研究(C)
今回C-N結合形成反応としてフェノチアジン類とのカップリング反応に成功した。さらにチオグリコシドをカルボン酸由来の超原子価ヨウ素反応剤と反応させることで、アシルO-グリコシル化合物の合成に成功した。これらのアシルO-グリコシル化合物はチオグリコシドアクセプターと反応して二糖を生成し、この方法を繰り返すことにより簡便な操作で三糖や四糖を合成することができることを明らかにした。
有機化学
一般的に酸化的手法はハロゲン化やメタル化といった官能基化が予め必要な遷移金属を用いた結合形成反応に比べ、原料の構造修飾を必要としない直接的かつ簡便で、副産物の少ない手法である。しかし官能基変換を必要としない方法は慨して選択的が低いことが問題である。今回開発した手法は、重金属酸化剤よりも緩和な酸化能を有する3価の超原子価ヨウ素反応剤を用いるため、環境調和型の結合形成反応としてより優れた手法である。