研究課題/領域番号 |
20K05530
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研究機関 | 山陽小野田市立山口東京理科大学 |
研究代表者 |
太田 雄大 山陽小野田市立山口東京理科大学, 工学部, 准教授 (70509950)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 多核金属酵素 / 生体模倣金属錯体 / 酸素還元反応 / 小分子活性化 / 電極触媒 |
研究実績の概要 |
酸素、二酸化炭素、水素、炭化水素など、エネルギー変換化学の観点から重要な物質変換を行う金属酵素の触媒活性中心を規範とした各種遷移金属錯体を開発する。この目的のために、(i) 多核金属イオンの集積を可能にする新規配位子分子の開発、(ii) 触媒反応性の解析、(iii) 分光学による多核金属錯体の構造―反応性相関の解明、(iv)金属酸化物や炭素系材料を利用した多核金属酵素モデルの電極触媒としての応用を目標として研究を推進する。 当年度において、ポリピリジン構造を基本骨格としたいくつかの配位子分子の合成を行なった。ターピリジンを骨格に含む配位子の合成においては、合成条件の検討により収率を大幅に上げることに成功した。また、ビピリジンを骨格に含む新規ポリピリジン配位子の合成にも成功した。遷移金属塩による錯体の調製では、単結晶の作製に成功し、エックス線結晶構造解析で分子構造を決定した。また、錯体の酸素還元反応性について検討するために、電極触媒を調製して回転リングディスクを用いた対流ボルタンメトリー法による解析を行った。新規に開発した遷移金属錯体において優れた反応性が見られ、多核金属中心が反応の過電圧の抑制に効果を示すことを明らかにした。 当年度の研究により、遷移金属錯体の分子構造が明らかになったことで、今後ポリピリジンを基盤とする金属錯体の構造と反応性の相関に関する洞察が得られるほか、各種遷移金属錯体の合成と触媒反応への応用に向けて研究の発展が見込まれる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の感染症対策のために通常時に比べて研究活動レベルが下がったため、研究の進行がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
感染症対策を取りつつ、効率的に研究を遂行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進行に遅れを生じたため次年度使用額を生じた。遅れた研究計画の遂行のために使用する。
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