遷移金属錯体を触媒として用いたアンモニアの触媒的分解反応の反応機構に関して,量子化学計算を用いて検討した。 (1)マンガン-サレン錯体を触媒とした場合,アンモニア錯体からイミド錯体に至り、イミド錯体にアンモニアが攻撃することで窒素錯体が生成することがわかった。 (2)アキシャル位にイソキノリン配位子を有するルテニウム錯体を用いた場合,イソキノリンの6位に置換基を導入することでニトリド錯体のカップリング過程の活性化エネルギーが変化することが見出された。また、イソキノリンをフタラジン配位子に代えた場合、より強固にルテニウム原子へ配位することもわかった。
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