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2020 年度 実施状況報告書

有機溶存物質のエアロミセル化・水マトリックス支援ソフトイオン化による直接質量分析

研究課題

研究課題/領域番号 20K05552
研究機関大阪大学

研究代表者

古谷 浩志  大阪大学, 科学機器リノベーション・工作支援センター, 准教授 (40536512)

研究分担者 豊田 岐聡  大阪大学, 理学研究科, 教授 (80283828)
間 久直  大阪大学, 工学研究科, 准教授 (70437375)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードエアロミセル / 単一微粒子質量分析 / 液体試料直接質量分析 / ソフトイオン化
研究実績の概要

液体試料を質量分析計に全量・直接導入する画期的な新手法である「エアロミセル化法」と、エアロミセル中の水を支援マトリックスに用いることで有機分子を壊さずにソフトイオン化させる「水マトリックス支援レーザーイオン脱離・イオン化」を用いる事で、液体試料中の微量有機物質を壊すことなくソフトイオン化させる新しい有機物質ソフトイオン化直接質量分析法を開発している。
プロジェクト1年目の令和2年度は、まず本研究の中核となる「エアロミセル」を安定的かつ迅速に発生させるための手法の改良・開発を中心に行った。まず、同一粒径の液滴粒子を連続的に発生できる振動オリフィスエアロゾル発生装置(VOAG)による、単分散液滴粒子・固体エアロゾルの発生を試みたが、粒子発生装置の不具合や不安定性等のため単分散の液滴粒子・固体エアロゾルは発生できず、本手法の利用を諦めた。その代わり、従来の噴霧方式による液滴発生手法を改良して、溶液試料の汚染を防ぎ安定的に液滴粒子を発生できる液体試料噴霧部を製作した。また、エアロミセル中の水をマトリックスとしてレーザー脱離・イオン化を行うため、所有する単一微粒子質量分析計を使い、近赤外パルスレーザーによる単一エアロミセル中に含まれる有機物質のソフトイオン化ならびに質量分析を行うため、単一微粒子質量分析計を固定し、また同じ台座に近赤外パルスレーザーを固定する台座ラックの設計を行い、その製作を開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究の中核である「エアロミセル」を安定的に発生させるため、幾つかの発生方法を試みた。まず同一粒径のエアロミセルを発生させることを意図して、単一粒径(単分散)の液滴粒子を発生させことが可能な振動オリフィスエアロゾル発生装置(VOAG)による液滴粒子発生を試みた。しかし、NaCl水溶液を用いてVOAGで微粒子生成発生実験を行ったところ、同一粒径の液滴粒子を安定的に発生できず、VOAGの修理あるいは調整が必要であることが分かった。VOAGは、既にメーカーで生産中止となっており、安定動作させるための修理等ができないためVOAGの利用は諦め、シリンジとシリンジポンプを使った従来の液滴発生方法を改良することで、溶液試料の汚染を防ぎ、また安定的に液滴粒子を発生できる溶液試料噴霧部を製作した(その評価は令和3年度に行う予定である)。
エアロミセルを、近赤外パルスレーザーで揮発・イオン化させて質量分析を行うため、所有する単一微粒子質量分析計(ATOFMS)に、共同研究者が所有する近赤外パルスレーザー装置を設置するため、単一微粒子質量分析計を固定し近赤外パルスレーザー装置を設置する台座ラックの設計を行った(台座ラックは現在製作中である)。

今後の研究の推進方策

製作した液滴粒子噴霧装置の評価を行い、エアロミセルを安定的に生成できるようにする。また、近赤外パルスレーザーを単一微粒子質量分析計に取付け、近赤外パルスレーザーによる単一微粒子質量分析を実施できるようにし、続いてエアロミセルを導入し、水マトリックス支援によるソフトイオン化の可能性についての試験の実施を目指す。

次年度使用額が生じた理由

令和2年度に完成予定としていた台座ラックが、令和3年度中の完成となってしまい、その製作費や関連する光学部品等の購入経費を、令和3年度に繰り越したため。

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公開日: 2021-12-27  

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