生体内酸化還元反応は、細胞の生命活動を司る重要な代謝反応である。中でもNADPHとNADP+の相互変換は多くの反応において補酵素を担っていることから、生体試料に含まれるNADPHとNADP+の分析は生命科学研究や疾病診断において必須の技術である。NADPH検出系は、特徴的な340 nmの最大吸収波長を利用した吸光度法が協力であり、臨床検査にも応用されている。一方、NADP+検出系は、分離技術を使用しない特異的測定法の開発例がない。本研究成果は、高速液体クロマトグラフィー等の分離技術を必要とせず、簡便な吸光度法でNADP+を直接定量できる技術を提供することから、社会的意義が大きいものと考える。
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