研究課題/領域番号 |
20K05562
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
高橋 透 福井大学, 学術研究院工学系部門, 准教授 (30361166)
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研究分担者 |
壹岐 伸彦 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (50282108)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | DNAメチル化検出 |
研究実績の概要 |
がんの早期診断に有用な分子マーカーとして5-メチルシトシン(5-mC)が非常に注目されており,国内外を問わず5-mCをターゲットとするDNAメチル化検出の新規技術開発が行われている.既往のほぼすべてのDNAメチル化検出法ではバイサルファイト(BS)処理の利用が前提となっているが,本研究課題では,その開発が強く望まれている,BS処理を必要としない新規なBSフリーDNAメチル化検出法の開発を目指す.特に,5-mCとシトシン(C)の直識別を達成するための手段として,申請者が独自に開発した等鎖長配列異性一本鎖DNAのキャピラリー電気泳動(CE)分離法を利用し,これをベースに,酸塩基平衡,水素結合をはじめとする種々の相互作用を駆使する新たなDNAの精密分離法を開発し,BSフリーDNAメチル化検出法を構築することを着想した. 今年度は,上述のBSフリーDNAメチル化検出法を構築するための基盤技術として,5-mCとCとの極めて僅かな酸解離平衡特性の差異に着目し,申請者らが開発した等鎖長一塩基変異一本鎖DNAのCE分離法によって,まずCE分離のpHだけ制御することによってメチル化DNAと非メチル化DNAの分離を達成することを試みた.13箇所のCpGシトシンを持つ98塩基長の hTERT遺伝子断片にメチル化処理を施し模擬メチル化試料(ht-mC)を作成した.ht-mCとメチル化前の標品DNA(ht-C)の混合試料を用いて,両者の分離が可能な泳動のpH条件の探索を行ったところ,pH2-3程度の酸性条件下でht-mCとht-Cとを良好に分離できることを見出した
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルスの感染拡大防止のための種々の施策により,本研究計画の開始時期が当初の予定より大きく遅れたこと,さらに研究活動そのものも例年より大きく制限を受けたため,当初の研究計画と比較して進捗状況が遅れることになった.
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今後の研究の推進方策 |
今年度実施することができなかった研究項目について取り組むともに,当初の研究計画で実施が予定されている研究項目について順次取り組む.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの感染拡大防止のための種々の施策により,本研究計画の開始時期が当初の予定より大きく遅れたこと,さらに研究活動そのものも例年より大きく制限を受けたため,当初の研究計画と比較して進捗状況が遅れ当初の使用計画額と差異が生じた.次年度以降は,今年度実施することができなかった研究項目に加え,当初の研究計画で実施が予定されている研究項目について順次取り組む予定であり,それに伴った研究経費の使用を行う.
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