研究課題/領域番号 |
20K05577
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
神田 康晴 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (70447085)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 貴金属リン化物触媒 / 耐硫黄性評価 / 昇温硫化法 |
研究実績の概要 |
本年度は、まず、触媒の昇温硫化(TPS)プロファイルの測定条件(測定波長、測定温度範囲、硫化水素(H2S)と共存するガス種)を検討した。H2Sの極大吸収波長は200 nm付近にあるが、この近辺で測定を行うとベースラインの乱れが大きく、定量を行う際に問題になると考えた。そこで、極大吸収波長と比べると感度は落ちるが、ベースラインの安定性と適度な吸光度を確保できる230 nmが測定条件として適当と判断した。 この測定条件でシリカ担持ロジウム触媒のTPSプロファイルを30℃から800℃までの範囲で、H2S-N2を用いて測定した。その結果、60℃付近にH2Sの脱離のよる負のピークが確認でき、100℃以降では徐々にH2S消費量が増加することがわかった。また、400℃付近でH2S消費量は最大となった。これ以降、温度を上げると緩やかにH2S消費量が増加する傾向が見られ、これはP/SiO2やSiO2では見られなかったことから、H2Sの分解反応(H2S → H2 + S)に由来するものであることを確認した。これより、測定温度範囲は、400℃付近のH2Sの消費ピークを明確に確認できるよう600℃までとするのが適当と判断した。 さらに、H2Sと共存するガス種の影響について検討をした。共存ガスとしてはH2とN2を使用したが、H2共存下でのH2S消費量はN2共存下でのH2S消費量よりも少なく、耐硫黄性評価の観点からはN2が適当と判断した。さらに、Pを添加したRh触媒(P/Rh比 = 0.5~2.0)のTPSプロファイルを測定した。P添加量の増加および触媒の還元処理温度を向上させると、H2Sの消費量が減少する傾向が見られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はTPSプロファイルの測定条件の最適化およびRh-P触媒の耐硫黄性評価について検討することを目的とした。実際に研究業績の概要に示すように、いずれの目標も十分な成果をあげることができた。以上ことから、本研究は順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
今年度はおおむね予定通りに研究成果をあげることができた。来年度はTPS法による耐硫黄性の定性的な評価に留まっているが、来年度は、定量性についても検討する。また、我々は高い耐硫黄性を有していることで、高い水素化脱硫(HDS)活性が発現すると考えている。そこで、H2Sで処理する前後のHDS活性と耐硫黄性の関係性について検討することで、明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度、旅費を使用できると仮定して10万円の予算を申請した。しかしながら、コロナウィルス感染症が収束することはなかったため、予定していた学会にはWebで参加し、旅費を使用することはなかった。そのため、この分が来年度への持ち越しとなった。
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