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2021 年度 実施状況報告書

新規脱硫触媒の耐硫黄性評価方法の開発と耐硫黄性発現のメカニズム解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K05577
研究機関室蘭工業大学

研究代表者

神田 康晴  室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (70447085)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード貴金属リン化物 / 耐硫黄性評価 / 昇温硫化法
研究実績の概要

今年度は、昨年度に引き続きRh-P触媒の昇温硫化(TPR)プロファイルを測定することで耐硫黄性を評価した。P/Rh比の異なるRh-P触媒のTPSプロファイルより、触媒の還元温度を高くすることで、H2S消費量の減少と、H2S消費のピーク温度が低温側にシフトすることがわかった。また、Rh-P触媒の還元温度が高くなるとXRDパターンにおけるRhのピーク強度が減少し、Rh2Pのピーク強度が増加した。これらの結果から、Rh2Pが生成することでRh-P触媒の耐硫黄性が向上することが明らかとなった。
さらに、TPSプロファイルの面積からH2S消費量を定量した。標準物質として用いたCuOの TPSプロファイルの面積を基準とし、Rh-P触媒のTPSプロファイルで消費されたH2Sを定量した。この際の上限温度はH2Sの分解反応(H2S → H2 + S)がほとんど起こらず、水素化脱硫反応が行われる350℃とした。P/Rh比が1.0以上の触媒で還元温度を上げることでH2S消費量は著しく減少することが明らかとなった。また、P/Rh比が1.5および2.0の触媒では、還元温度を350℃から450℃にすることでH2S消費量は著しく減少した。さらに、XRDパターンで観察されたRh2Pのピーク強度に対してH2S消費量をプロットすると、Rh2Pのピーク強度が高い触媒は高い耐硫黄性を示すことがわかった。
さらに、水素化脱硫反応に対してRh-P触媒に続いて高い活性を示したPd-P触媒のTPSプロファイルを測定し、耐硫黄性を評価した。その結果、Rh-P触媒と同様に、P/Pd比および還元温度が高い触媒ではH2S消費量が少なく、高い耐硫黄性を示すことが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、Rh-P触媒の耐硫黄性評価を終えることができ、TPSプロファイルからのH2S消費量の定量化および他の貴金属リン化物の耐硫黄性評価に着手することができた。以上のことから、予定にしたがって成果をあげることができ、研究は順調に進んでいると判断した。

今後の研究の推進方策

今後は、当初の予定通り、TPSプロファイルの測定によるH2S消費量の定量結果の妥当性評価、Ru-P系触媒の耐硫黄性評価およびSO2に対する耐硫黄性評価などについて検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍により出張ができず、旅費の一部が次年度使用額として残った。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 昇温硫化法によるRh-P系触媒の耐硫黄性評価2022

    • 著者名/発表者名
      佐々木奏, 上野錬, 遠藤優斗, 神田康晴
    • 学会等名
      化学系学協会北海道支部 2022年冬季研究発表会
  • [学会発表] リン化ロジウム触媒の水素化脱硫活性と耐硫黄性の関係2022

    • 著者名/発表者名
      神田康晴, 上野錬
    • 学会等名
      触媒学会 第128回触媒討論会

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公開日: 2022-12-28  

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