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2020 年度 実施状況報告書

アシルシランの化学に立脚した新しいタイプの重合反応と高分子反応の開拓

研究課題

研究課題/領域番号 20K05601
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

鈴木 将人  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20179253)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードアシルシラン / アニオン重合
研究実績の概要

既知の方法を参考にして、試行錯誤の末、アクリロイルジメチルフェニルシラン(1)とメタアクリロイルジメチルフェニルシラン(2)を合成することができた。
モノマー1は、n-BuLiを開始剤(10 mol%)とし、テトラヒドロフラン中-78℃で、数平均分子量4800のポリマーを与えた。核磁気共鳴と赤外吸収スペクトルから、アシルシランを側鎖に持つ通常のビニル重合体が生成していることが分かった。Bu3P、ジアザビシクロウンデセン、Bu4N+-SiF2Ph3をジメチルホルムアミド中開始剤に用いたときには、モノマーは消費されたがポリマーの生成は認められなかった。一方、KCNを開始剤(5 mol%)とした場合、ジメチルホルムアミド中室温でオリゴマーが生成した。赤外吸収スペクトルからビニル重合体と一致しないことが分かったが、構造の同定には至っていない。
モノマー2は、モノマー1と同じ条件でn-BuLiを開始剤として用いても反応が50%で停止し、ポリマーは得られなかった。また、N-ヘテロ環状カルベンを開始剤とした場合は、テトラヒドロフラン中室温で、Bu3Pなどのホスフィンを開始剤としたときには、ジメチルホルムアミド中50℃にすることで、分子量1000以下のオリゴマーの生成が認められた。KCN、NaCNを開始剤(5 mol%)として用いた場合、ジメチルホルムアミド中室温でモノマーは消費されたが、オリゴマーが生成したのみであった。対応するクラウンエーテルを加えても同じ結果であった。また、Bu4NCNを用いた場合は、ジメチルホルムアミド中だけでなくテトラヒドロフラン中でモノマーは転化するものの生成物はオリゴマーであった。加えるBu4NCNを1 mol%にしても、オリゴマーの分子量に変化はなかった。得られたオリゴマーについて、核磁気共鳴スペクトルなどを用いて構造の同定を試みたが、決定には至っていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

コロナ禍で約2か月に渡って研究室を閉鎖せざるを得なかった。
また、既知物質であるにも拘らず、モノマー合成が文献通りに進行せず、時間を要した。
予想した重合反応が進行せず、試行錯誤を続けている。

今後の研究の推進方策

当初の計画に従い、1)有機銅を開始剤とする重合を検討し、目的の重合反応の達成を目指す。2)新たな構造のモノマーの重合を検討する。3)得られたポリマーの高分子反応を行う。

次年度使用額が生じた理由

申請額よりも交付決定額が少なかった関係で備品を購入しなかったため、次年度使用額が生じた。今年度は、他予算の状況を見ながら、予定していた備品の購入を検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] α,β-不飽和アシルシランのアニオン重合2020

    • 著者名/発表者名
      佐藤 諒, 松岡 真一, 高木 幸治, 鈴木 将人
    • 学会等名
      第69回高分子学会年次大会

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公開日: 2021-12-27  

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