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2021 年度 実施状況報告書

有機希土類触媒を用いたステレオトリブロックポリジエンの開発および物性評価

研究課題

研究課題/領域番号 20K05611
研究機関小山工業高等専門学校

研究代表者

西井 圭  小山工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (00552928)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードペンタジエン / アタクチック / イソタクチック / ポリペンタジエン / エラストマー
研究実績の概要

有機金属触媒を用いた高活性,高立体特異的(cis-1,4- / trans-1,4- / 3,4- / 1,2-)ブタジエンあるいはイソプレン重合に関する報告例は多い.しかし,(E)-1,3-ペンタジエンのイソタクチック-トランス-1,4-特異的重合の報告例は少なく,新規触媒系の開発が必要であった.
われわれは最近,インデニル配位子を有するハーフサンドイッチ型イットリウム触媒系が,(E)-1,3-ペンタジエンのイソタクチック-トランス-1,4-特異的リビング重合を進行させ,生成ポリマーはmm > 95%(イソタクチック構造選択率:mm)およびトランス-1,4-構造選択率 = 99%を有するリビングisotactic-trans-1,4-ポリペンタジエン(ITPPD)の合成に成功した.そこで,本研究では前述のイットリウム触媒系と極性の異なる2種類の溶媒(トルエン,クロロベンゼン)を用いて機能性ステレオブロックポリマー(引張強度 > 2600%,リカバリー特性 > 94%)の合成を検討した.その結果,生成したポリペンタジエン(アタクチックポリペンタジエンユニットを含む)はもとのITPPDに比べ融点(Tm)が4℃低下し,エラストマー性が向上した.具体的には,引張強度が1389%から2111%に向上した.しかし,リカバリー特性が24%であった.よって,さらに多くのエラストマーユニットが必要であることがわかった.このため,今後はエラストマー性に関与する「アタクチックポリペンタジエンユニット」を増やす検討を進める予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究課題の進捗状況において上記区分を選択した理由を示す.申請時に計画していた「ステレオブロックポリマーの合成」に関しておおむね目標を達成できたと考えている.さらに「ポリマーの物性評価」について,目標値は未達成であるが,改善する方向性を確認できた.

今後の研究の推進方策

前年度、すでに重合溶媒の種類で「ステレオブロック構造およびエラストマー性」について知見が得られた.よって,今年度は極性の高い溶媒量を増やし「高機能性ステレオトリブロックポリマー(引張強度 > 2600%,リカバリー特性 > 94%)」の合成に挑戦する計画である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] ビス(ベンゾイミダゾール)配位ニッケルジクロリド錯体触媒系による共役ジエン類の重合2022

    • 著者名/発表者名
      塚原 翔, 植田 泰之, 加藤 岳仁, 戸田 智之, 太田 俊, 西井 圭
    • 学会等名
      第102春季年会(2022)日本化学会
  • [学会発表] ネオジム触媒系によるバイオマス組成ブタジエンの重合2021

    • 著者名/発表者名
      西井圭 , 大本ななこ , 戸田智之 , 中村洋
    • 学会等名
      第70回高分子討論会
  • [学会発表] イットリウム触媒を用いた(E)-1,3-ペンタジエンのイソ特異的-トランス-1,4-重合によるエラストマー合成2021

    • 著者名/発表者名
      西井圭・Guangli Zhou , 斎藤雄介 , 山本敦 , 西浦正芳 , Yi Luo , 侯召民
    • 学会等名
      第70回高分子討論会
  • [学会発表] エリスリトール由来1,3-ブタジエンの配位重合2021

    • 著者名/発表者名
      笹川雄飛, 戸田智之, 宮正光, 竹中克彦, 山口巧祐, 中川善直, 西井圭, 中村洋
    • 学会等名
      第70回高分子学会北陸支部研究発表会

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公開日: 2022-12-28  

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