研究代表者は、3-メトキシチオフェン重合体の塗布膜が金色調光沢を発現することを発見していた。本研究では、重合体をアクリル樹脂とブレンドすることにより、膜表面が黒色光沢、裏面が金色調の色度を発現すること、及び新たに合成された水溶性重合体が従来よりも強い金色調を発現することの機構について調べた。その結果、ブレンド膜においては、金色調の要因となる重合体のラメラ結晶が膜表面では少なく、裏面では多いことが色度の相違を生じることを示した。また、水溶性重合体においては、重合条件を変えた検討により、従来重合体と比較して膜中により多くのラメラ結晶が形成されることがより強い光沢発現の要因であることがわかった。
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