本研究では、優れたリチウムイオン二次電池(LIB)電極特性を示すフッ化鉄系材料に注目し、その電極特性を最大限に引き出すための物質調製法を提案した。コットン繊維の微細構造の利用と、フッ素ガスの反応性の制御により、グラフェン状物質を含むカーボン-フッ化鉄ナノ粒子複合体繊維の調製に成功した。この複合体繊維は、平均繊維長が約52μm、平均繊維径が約10μmであり、フッ化鉄ナノ粒子はグラフェン状物質を含むカーボン被覆された構造を有する。この複合体繊維のLIB特性を評価したところ、可逆的に充放電反応が進行することが確認でき、最大でフッ化鉄重量当たり186 mAh/gの容量が得られた。
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