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2022 年度 実績報告書

ナノ構造制御により活性サイトの溶出を抑制したコアシェル型酸素発生触媒の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K05657
研究機関北見工業大学

研究代表者

大野 智也  北見工業大学, 工学部, 教授 (90397365)

研究分担者 平井 慈人  北見工業大学, 工学部, 准教授 (80756669)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード酸素発生反応 / ナノコーティング / ナノ粒子 / 電気化学触媒 / セラミックス
研究実績の概要

本研究の最終年度では、前年度までに判明したSrTiO3コーティング層によるRu溶出効果が、コーティング層の構造の違いにより変化することを確認し、OER反応を大きく阻害せずにRu溶出を抑制可能なコーティング層について検討を行った。その結果、当初の学問的問いである「薄膜形状で検討された触媒デザインがバルク体でも有効か?」に対して、薄膜と同様の現象を粒子形状の材料で再現することに成功した。
本申請研究の全期間において、金属アルコキシドを用いた複合金属酸化物のコーティングをサブミクロンサイズの粒子表面に形成することに成功した。また得られたコーティング層の構造は、金属アルコキシドの立体障害効果により大きく変化することを示唆する結果が得られた。これはコーティング前駆体分子である金属アルコキシド成分とコア粒子表面の親水基との反応性の違いに起因していると考えられる。またこの現象を利用して、OER触媒として有望なCSRO粒子表面に対してRu成分の溶出抑制を目的としたSTOコーティングを実施した。
得られたインピーダンス測定の結果より、OER活性を大きく阻害せずRu成分の溶出抑制が可能である事を示す結果が得られ、特に1-プロポキシド系の前駆体分子でコーティングを実施したCSRO-STOコアシェル粒子では、可逆水素電極基準で1.426V以下でRu溶出の抑制に成功した。また得られた粒子を搭載した電極を作製しOER活性のサイクル特性を評価したところ、コーティングによる過電圧の低下は認められず、当初目的であったOER活性を阻害しないコーティング層の形成に成功した。またサイクル特性を評価したところ、コーティング層の構造の違いによりサイクル安定性に大きな違いが認められ、緻密なコーティング層が形成されたと想定される1-プロポキシド系のコーティング粒子を用いた事で、サイクル特性の大幅な改善が見られた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)

  • [雑誌論文] SrTiO3 Nanocoating on a Primary Nanoparticle using Metal Alkoxide Processing with Chemical Modification2023

    • 著者名/発表者名
      T. Ohno, D. Miura, J, K. Padarti, S. Hirai, T. Matsuda, N. Sakamoto and H. Suzuki
    • 雑誌名

      J. Ceram. Soc. Jpn.

      巻: 131[8] ページ: in press

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Preparation of Barium Titanate Nanocoated Silica Nanoparticles by Chemical Solution Deposition2022

    • 著者名/発表者名
      T. Ohno, T. Maruyama, T. Miura, S. Hirai, H. Suzuki and T. Matsuda
    • 雑誌名

      J. Jpn. Powder Powder Metallurgy

      巻: 69 ページ: 503-507

    • DOI

      10.2497/jjspm.69.503

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Development of core-shell nanomaterials for energy storage devices using chemical solution method2022

    • 著者名/発表者名
      T. Ohno and S. Hirai
    • 雑誌名

      Impact

      巻: 2022 ページ: 43-45

    • DOI

      10.21820/23987073.2022.2.43

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 電池材料を指向した液相法による機能性粒子へのコーティング2022

    • 著者名/発表者名
      大野智也
    • 学会等名
      日本ゾルゲル学会第19回セミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] 金属アルコキシドを利用した粒子表面へのコーティングと電池材料としての利用2022

    • 著者名/発表者名
      大野智也
    • 学会等名
      材料技術研究協会討論会2022
    • 招待講演
  • [学会発表] 液相合成により作製したコアシェル粒子の応用2022

    • 著者名/発表者名
      大野智也
    • 学会等名
      2022年度第二回グリーンプロセス研究会
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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