水蒸気分圧勾配下の起電力測定により、水和した鉄系層状ペロブスカイトが、125-200℃の温度範囲で水酸化物イオン-電子混合伝導体であることを明らかにした。この水酸化物イオン伝導が生じる温度範囲で、水酸化物イオンが存在するのは、Srサイト近傍の特定の酸素サイトであるので、この特定サイトに配位したOH-がこの系の水酸化物イオン伝導に重要な役割を果たすと結論づけられる。さらに、水分子、OH基が脱離した200℃以上の高温では、そのイオン伝導種は水酸化物イオンからプロトンに変化することを見出した。酸化物イオン伝導性を示すより高温(約600℃以上)では、トリプルコンダクターとなりうることを示唆する。
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