近年,エネルギー資源の枯渇と環境汚染の問題が加速するなか,熱電変換技術の本格的な普及が望まれている.しかし,既存の主要な熱電材料はBiやTe, Pb等の重金属を含むものが多く,毒性や資源希少性の問題があった.近年厳しさを増す環境規制と資源問題に対応し,かつ高出力な新規熱電材料の開発が喫緊の課題である. 本研究で作成した高精度な機械学習ポテンシャルや,熱電半導体Mg2Siの有限温度における物性値をよく再現することが示されたKKR-CPA法に基づく計算手法は,材料の微視的構造や熱電輸送特性を調査する上で強力なツールになると期待される.
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