はじめに金酸化物の生成量の再現性に優れた実験手法を検討した.その結果,金板を使用し,鏡面研磨後に電気化学的な酸化・還元サイクルを適切な電位で繰り返し,これを2電極の定電流でアノード酸化する方法が優れていた.金酸化物皮膜をカソード還元させた時の電気量が酸化金の生成量に一致するものとみなし,この酸化金の完全放電時間が1時間となる電流密度(0.15 mAcm^-2)で放電測定を行ったところ,0.92 V vs. SHEを維持し,完全放電の直前で急激に電位が低下する挙動が得られた.放電速度を2倍および1/2に変化させても0.92 V vs. SHEの電位が放電完了直前まで維持されることが確認された.
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