研究課題/領域番号 |
20K05703
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
竹森 洋 岐阜大学, 工学部, 教授 (90273672)
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研究分担者 |
古田 享史 岐阜大学, 工学部, 教授 (40173538)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | メラニン / 化合物 / 薬物輸送システム / 蛍光物質 |
研究実績の概要 |
薬物送達システムへの利用を目的に、機序の異なる2種の白色メラノソーム合成促進兼放出促進剤のリード化合物をより高機能/最適化し蛍光ラベル化した。ラベル化メラノソームをケラチノサイトへ導入したところ、効率良く導入でき細胞内で移動がライブイメージとして観察できた。蛍光剤も新規化合物を得ることができ、特許出願を行った。加えて、エクソソームもラベル化でき、HEK293細胞への導入をモニターできた。 メラノソーム増産に関しては、表面マーカーであるCD63の発現を指標とした。結果、2種のCD63発現促進剤を得ることができた。一方、この発現はCD63のmRNAの上昇は伴わないことから、タンパク質レベルでの安定化が関与すると考えられる。加えて、メラニン合成促進に作用する化合物と、抑制に作用する化合物が得られた。前者はβカテニン経路の活性化が示唆された。後者にはこの活性は見いだせないが、メラノソームを白い状態で成熟させた。その際、メラニン合成酵素であるTyrosinaseのタンパク質レベルには影響を与えなかった。一方で、別のメラニン合成関連酵素であるTRP1の発現が抑制されていた。TRP1の機能抑制はメラニン合成の総量への影響は少ないものの、メラニンの色を薄(黄/赤)へとシフトさせることで光透過性が増す。そのため、蛍光ラベル化には適している。 現在は、メラノサイトを長期培養した条件でもメラノソームを放出し続ける条件を決定している。特にcAMPの濃度がCD63の発現に影響を与え、化合物作用に重要である結果を得つつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
目標の化合物数・機能が想定を超え、企業からの受託研究も受けた。
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今後の研究の推進方策 |
色の薄いメラノソームを短期間に大量の調製する技術確立させる。加えて、候補化合物の作用機序を詳細に決定する。また、化合物などをメラノソームへ導入する方法を開発する。
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