現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、オートファジー誘導ペプチドとPNAとの間にエチレングリコールリンカーを挿入したペプチドジッパーを合成した。PNAの鎖長は4,6,8,10,12量体を選択し、いずれのペプチドジッパーもうまく合成できることが、MALDI-Tof MassおよびHPLCより確認できた。これらのオートファジー誘導ペプチド修飾PNAとCPP修飾PNAとにより細胞内導入を行なったところ、両者はハイブリッドを形成することでうまく細胞内に運搬されることが蛍光顕微鏡により確認できた。さらに両者の混合物によるオートファジー誘導評価では、PNAの鎖長に応じたオートファジー誘導に関する依存性があった。 我々はまた上記のPNAジッパーに代わる新しいペプチドジッパーの開発のため、ヘテロ二量体化ロイシンジッパーのロイシン部分をナフチルアラニンに置換した新規ロイシンジッパーの合成を行なった。その結果、ナフチルアラニンを含む新規ロイシンジッパーは、従来のロイシンジッパーよりもハイブリッドの形成能力が高くなることが蛍光スペクトルの結果より明らかになった。また、ナフチルアラニンのコンフィグレーションによってもその形成能力に変化があることを明らかにした。我々はさらに異なる化学構造ももつペプチドジッパーの開発も開始し、ヘテロ二量体化ロイシンジッパーのヘリックス含率を向上させるためのステイプル化を実施した。このステイプル化ロイシンジッパーはうまく合成できたが、残念ながら現時点ではハイブリッドの形成にまでは至っていない。
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