本研究では、放線菌由来チロシナーゼ (Ty) とその金属シャペロンであるキャディー (Cad) からなる複合体を用い、Tyの反応機構と成熟化機構を解明することを目的としている。Tyがフェノラーゼ活性を発揮するためには、基質が基質結合部位に存在するシールドモチーフを遊離させる必要があること、および、活性中心付近の水分子の塩基性が高い必要性があることが判明した。また、Ty・Cad複合体を用い、亜鉛イオン存在下で銅イオンが取り込まれる機構について調査したところ、CadのTyr98残基が酸化されることが、効率的な銅イオンの取り込みに重要であることが明らかとなった。
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