研究課題
基盤研究(C)
本研究では、遺伝子発現解析やEMSA解析、エックス線結晶構造解析などを用いて、超好熱アーキアPyrococcus horikoshii OT3におけるアミノ酸ラセマーゼ(BAR)の発現誘導メカニズムの解明を試み、D-アミノ酸が転写因子と結合することで遺伝子発現を制御していることを見出した。このことはD-アミノ酸がアーキアにおいて生理活性物質として機能することを示す初めての成果である。
微生物酵素学
今回の研究で、超好熱アーキアがD-アミノ酸を生理機能物質として利用していることを初めて明らかにした。D-アミノ酸の生体内における生理機能はヒトなどの高等生物やバクテリアにおいても知られており、アーキアの中でも共通祖先に近いとされる超好熱アーキアでのD-アミノ酸機能の発見は進化の観点からも興味深い。今後のD-アミノ酸研究の新たな基盤づくりに貢献できたと考えている。