コチレニンA(1)は糸状菌から単離、構造決定されたジテルペン配糖体で、非常に興味深い抗がん活性を示す。また、1は細胞内のシグナル伝達に関与していると考えられ、疾病解明のためのツールになることが期待されている。しかし、生産菌の変異により、培養による供給が非常に困難となっている。 研究代表者は、1のAおよびC環部セグメントを調製したのち、これらを連結し、続く閉環で8員環を形成した。しかし、その後の化学変換が困難であったことから、共役付加と続く分子間アルドール反応で、AおよびC環部のモデル化合物を連結した。また、ラセミ体アルコールの速度論的分割で、従来に比べ、より簡便なC環部合成ルートを開発した。
|