本研究は、細胞膜透過性を有する特殊なオリゴ核酸の創製とその医薬応用に向けた検証を目的としている。まず、我々は脂肪酸の膜透過性の高さに着目し、脂肪酸コンジュゲート型オリゴ核酸(アンチセンス核酸)を設計・合成した。続いて、その機能評価を実施した結果、パルミチン酸を2つコンジュゲートしたアンチセンス核酸について、細胞内移行性の大幅な向上を確認した。さらに、パルミチン酸とアンチセンス核酸との間にエンドソーム内で切断するリンカーを配置することで、アンチセンス核酸の細胞内移行性の向上と活性の向上を達成した。以上によって、当初目的を達成することができた。
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