近年オートファジー阻害剤ヒドロキシクロロキンと既存抗がん剤との併用に関する臨床試験が実施され、オートファジーを標的とした治療の有効性が多数報告されてきた。しかし、ヒドロキシクロロキンには副作用の問題に加えて、その抗がん活性にオートファジー阻害が寄与しないことも報告され、がん治療標的としてのオートファジーに疑問を唱える声も出ている。本課題では、新規オートファジー阻害剤としてオートファゴソーム膜形成を阻害するAtg4B阻害剤を創製し、そのがんアジュバント薬としての有効性を実証し、オートファジーの分子基盤の解明やオートファジー特異的阻害剤の臨床応用に向けた重要な知見が得られたと考える。
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