研究課題
基盤研究(C)
シスプラチンは多くの固形癌の治療に用いられる標準的な化学療法薬である。しかし、その代謝副産物は腎細胞に毒性を示し、腎障害が副作用として問題になる。したがって、抗がん作用を損なうことなく、シスプラチンによる腎毒性を防ぐことが望まれる。我々は、ハイスループットのスクリーニングアッセイを用いて、新たに同定されたCCBL1阻害剤である2',4',6'-トリヒドロキシアセトフェノンが、シスプラチンの抗がん作用を損なうことなく腎障害を軽減できることを明らかにした。
がん治療
これらの結果は、CCBL1阻害剤はシスプラチン誘発性腎障害の予防薬として使用できる可能性を示唆しており、シスプラチンをベースとしたがん治療を受けている患者のQOL向上を目指した新たな治療戦略を提供できる可能性がある。