本研究では、植物体地上部の窒素栄養状態を根に伝えるシグナルの解明を目指した。予備データから、シグナル候補としてリプレッサーXのmRNAとイソペンテニル型サイトカイニン(iP-CK)に着目した。本研究のために簡便かつ非破壊的に栄養操作できる移植実験系を構築し解析を進めた。しかしながら、リプレッサーXのmRNAとiP-CKがシグナルとして機能するエビデンスは得られなかった。一方、地上部に硝酸イオンが蓄積するとiP-CKのシグナルを介して地上部の成長と防御応答が促進されることや、根特異的にCKシグナルを低下させることによって地上部の成長が促進されること、などが明らかになった。
|