リンゴ酸輸送体ALMTファミリーの生理機能の多様性に着目して,本研究では気孔タイプALMTが関与する,気孔閉口の誘導シグナルにトマトとシロイヌナズナで相同・相違点を見いだした.これは気孔タイプALMTを乾燥耐性の付与,高CO2適応に応用する際に有用な情報となる.さらに,気孔タイプALMTタンパク質のC末端酸性アミノ酸が電位センサーとして機能することは,今後ゲノム編集などでC末端側を削除することで,気孔開口を調節した作物をつくる技術転用への可能性を示した.そして将来的に,気孔タイプALMTの機能制御により,気候変動に耐性を付与した作物をつくり,持続的な作物生産と品質向上への応用が期待できる.
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