植物は必要なミネラルを獲得するために様々な戦略を持っているが、これまでのミネラル欠乏耐性機構に関する研究は、根からのミネラル吸収を担う輸送体の発現を上昇させたり、そのための根の構造を変化させたりと外界からの吸収の増強を目指したものがほとんどであった。しかしある種のミネラルはその必要量の大部分を植物体内でのやりくりによってまかなっており、本研究の遂行によって得られたミネラルの「再分配」とそれに関与する輸送体の知見は、ミネラルの利用効率化から肥料等資材の低減につながることが期待できることから社会的意義が非常に大きい研究成果だといえる。
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