研究課題
基盤研究(C)
dwarf3変異体の窒素代謝関連遺伝子の発現は、野生型や他のストリゴラクトン関連変異体よりも高かった。D3はストリゴラクトンだけでなく、カリキンシグナルも制御することから、窒素代謝関連遺伝子の発現制御には、ストリゴラクトンよりもカリキンの影響が大きいと考えられる。また、窒素欠乏条件下でストリゴラクトンが増加し、葉の角度が小さくなるが、その角度の減少には硝酸イオンよりもアンモニウムイオンによる影響が大きかった。
植物生理学
イネにおけるラミナジョイントの角度は、隣り合う葉の重なり具合に大きく影響するため、光合成の効率や収量にその影響が反映される。ストリゴラクトンのシグナルが欠損すると葉の角度が大きくなることから、隣り合う植物同士の葉が重なり、集団全体の光合成効率が低下し、収量が低下すると予想される。したがって、本研究の結果はストリゴラクトンの生合成量を調節することは、作物生産効率を向上させる上で大変重要であることを示している。