日本初の抗生物質であるカナマイシン(KM)は,放線菌の一種によって生産されますが,この株は,ゲノムDNAのKMの生産に必要な領域を多コピー化し,生産量を高めるシステムを持っています。本研究では,このシステムを他の細菌株の抗生物質生産に関与するDNA領域に適用し(この技術をZouA法と呼んでいます),この領域の多コピー化と抗生物質の生産量増加を目指しました。 その結果,KM生産菌と同属の菌株1株とこれとは遠縁のグラム陰性菌2株においてDNA領域の多コピー化と,このうち 2株については抗生物質の生産量が最大で5倍に高められることを確認しました。また,目的の株を効率よく選び出す方法も確立しました。
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