鰹節のかび付け発酵熟成工程において脂質分解酵素は香味や保存性を高める鍵酵素として働いていると考えられているが、鰹節カビとその酵素群が、低水分活性下で働く発酵メカニズムは不明な点が多いのが現状である。鰹節の発酵熟成に関わる優占種カビ5種のうち、Aspergillus chevalieriおよびA. pseudoglaucusが分泌生産する脂質分解酵素群のタンパク質同定を行った。つづいて、遺伝子のクローニング後、異種発現系を確立し、その組換え酵素の諸性質を解明することで枯節発酵に最も寄与する脂質分解酵素の触媒化学的諸性質を明らかにした。
|