植物はV-PPaseとsPPaseという2種類の分解酵素を併用しており、その使い分けにより組織ごとに最適なピロリン酸濃度を保っていることを検証した。根端コルメラ細胞では、V-PPaseの異所発現によりデンプンの減少と液胞の肥大がみられ、変異によりH+輸送活性を欠損しても同様であり、機能維持のために発現を低く保つ生理的意義を見出した。NH4+を窒素源として用いない場合に地上部でのV-PPase欠損表現型が強化される現象について、V-PPaseとsPPase以外の分解酵素は関与せず、これらの発現変動もないことまで判明したが、地上部でPPiを生産する経路の同定までには至らず、今後の課題である。
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