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2022 年度 実施状況報告書

ナトリウム利尿ペプチド受容体を介したオステオクリンの新規機能の解明とその応用研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K05841
研究機関摂南大学

研究代表者

湯浅 恵造  摂南大学, 理工学部, 教授 (70363132)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードナトリウム利尿ペプチド受容体 / 結合タンパク質 / リガンドー受容体
研究実績の概要

ナトリウム利尿ペプチド受容体の一つであるNPR-Cは、血中ナトリウム利尿ペプチドのクリアランスに関わることが広く知られているが、他の機能も有することが示されている。NPR-Cのクリアランス以外の機能を明らかにするために、NPR-Cと相互作用するタンパク質の探索を行い、結合タンパク質としてGEF-H1とBZW2を同定した。NPR-CとBZW2の相互作用解析を行った結果、NPR-CはBZW2と特異的に結合し、BZW2と高いアミノ酸ホモロジーを示すBZW1とは結合を示さないことが明らかになった。また、NPR-Cの特異的なリガンドであるオステオクリン処理によって、BZW2はNPR-Cから解離することを見出した。
BZW2は翻訳開始因子eIF5と似た構造を持ち、翻訳制御に関わることが示されている一方、ERK経路の活性化を介して癌悪性化を促進することが報告されており、その機能はいまだ十分には明らかにされていない。そこで、BZW2の発現が確認されたヒト子宮頚がん細胞株HeLa細胞を用いて、siRNAによるノックダウン解析を行った。その結果、EGFによるERK経路の活性化がBZW2のノックダウンによって抑制されることが認められ、BZW2はERK経路の活性化に関わることが確認された。また、NPR-Cから解離したBZW2の細胞内挙動を検討している過程で、BZW2が核膜及び小胞体膜に局在する膜タンパク質と相互作用することを見出した。現在、NPR-Cとの結合・解離がBZW2の機能にどのような影響を及ぼすのかERK経路に焦点をあて検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

NPR-CとBZW2の相互作用に関しては解析ができており、NPR-Cの新たな機能解明の基盤となるデータが得られつつある。一方、BZW2がERK経路に対して促進的に作用することを見出しているが、NPR-Cとの相互作用の関連性まで解析が進んでおらず、総合的に判断して、やや遅れていると考えられる。

今後の研究の推進方策

NPR-Cとの結合・解離がBZW2の機能にどのような影響を及ぼすのかERK経路に焦点をあて検討する。併せて、BZW2によるERK経路活性化の作用機序の解明を行う。その際、核膜及び小胞体膜に局在する膜タンパク質との関連性についても調べる。また、BZW1のアミノ酸配列と比較検討することにより、NPR-Cとの相互作用に関わるBZW2のアミノ酸配列を決定し、上述の研究に利用する。以上から得られた研究成果を、NPR-Cのアンタゴニスト作用に加えたオステオクリンの新たな機能の解明に繋げ、高付加価値ペプチドの創出を行う。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルス感染症の影響等により研究が十分に実施できなかったため、研究期間を1年間延長することにし、本年度使用額の一部を次年度へ繰り越すことにした。次年度、繰越し分を研究実施のための消耗品費および研究成果公表のためのオープンアクセスジャーナルの掲載料等に利用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ナトリウム利尿ペプチド受容体NPR-Cからのリガンド依存的なGEF-H1の解離と活性化2022

    • 著者名/発表者名
      湯浅恵造, 西田充芳, 宮本賢治
    • 学会等名
      第95回日本生化学会大会

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公開日: 2023-12-25  

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