研究課題/領域番号 |
20K05842
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
吉永 壮佐 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 講師 (00448515)
|
研究分担者 |
寺沢 宏明 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 教授 (10300956)
武田 光広 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 助教 (90508558)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 匂い / フェロモン / 脳・神経 / MRI / 嗅覚 |
研究実績の概要 |
多くの動物は、種の保存や生命の危機回避において、嗅覚を通じて外界から様々な情報を得ている。匂い物質やフェロモンといった化学物質がその情報の担い手である。マウスなどの齧歯類は、匂いを嗅上皮、フェロモンを鋤鼻器官上の受容体でそれぞれ認識する。受容体からの情報は嗅球に伝わり、嗅覚伝導路を経て高次脳における複数の部位をネットワーク状に活性化する。その結果、匂いやフェロモンに応じた行動・情動・生理変化が動物個体に引き起こされる。 本研究は、嗅覚刺激による脳活性化の位置情報に加えて、刺激から活性化・血流動態応答に至る時間情報を、機能的MRI(functional Magnetic Resonance Imaging)法を用いて解析する。これらの時空間情報と、誘起される行動・情動・生理的変化との相関を明らかにすることを目的する。本研究の成果は、性行動に影響する物質の同定および開発、さらには、実験用マウスの作製の促進や野生ネズミの繁殖制御につながることが期待される。 本年度は、研究代表者らのこれまでの試みを発展させ、コンピュータプログラム制御の匂い曝露装置を用いて高精度で周期的に嗅覚刺激を与え、独立成分解析を組み合わせることにより、嗅覚応答を高い時間分解能で解析する条件の検討を進めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度に計画していた通りに、コンピュータプログラム制御の匂い曝露装置を用いて高精度で周期的に嗅覚刺激を与え、独立成分解析を組み合わせることにより、嗅覚応答を高い時間分解能で解析する条件の検討を進めることが出来たため。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度に条件検討した結果を踏まえて、実際に、匂い物質やフェロモンによる嗅覚応答の解析を進める。また、より多くの時空間情報を得るために、現在汎用されているBOLD法に加えて、CBV法(CBV: Cerebral Blood Volume)の導入の検討を進める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究打合せについて、コロナウイルスの蔓延により、共同研究先にて実施することができず、簡易的にウェブミーティングにより実施した。そのため、国内旅費に相当する次年度使用額が生じたが、次年度以降に、詳細な研究打合せを実施する際に、使用する予定である。
|