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2022 年度 実績報告書

新規肝オルガノイドを用いた肝細胞と胆管の接続部構造形成のメカニズム解明とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 20K05843
研究機関東京大学

研究代表者

谷水 直樹  東京大学, 医科学研究所, 准教授 (00333386)

研究分担者 三高 俊広  札幌医科大学, 医学部, 教授 (50231618)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードオルガノイド / 肝臓 / 胆管 / 代謝産物 / 組織構造
研究実績の概要

我々は、マウス肝前駆細胞と胆管上皮細胞の共培養を行うことで、胆管接続型の肝臓オルガノイド(Hepatobiliary tubular organoid; HBTO)の作製に成功した。肝細胞機能の長期維持が可能であること、組織内の代謝産物輸送の再現などを可能にした。HBTOを用いた肝病態モデル構築のために、マウスの初代星細胞とクッパー細胞をHBTOに導入し、脂肪酸添加による変化を検討した。パルミチン酸およびオレイン酸添加、さらにリポ多糖(LPS)の添加によって、肝細胞への脂肪滴蓄積が観察された。脂肪酸とLPS添加群では炎症性サイトカインTNFaが検出された。さらに、活性化星細胞のマーカーであるaSMA染色を行ったところ、脂肪酸とLPS添加群において星細胞が活性化していることを確認した。また、Clodronate liposomeを添加することでクッパー細胞を除去した後に脂肪酸を添加すると、脂肪酸とLPSによる星細胞の活性化が抑制された。以上のように、星細胞およびクッパー細胞を含むHBTOへの脂肪酸添加によって、クッパー細胞の存在依存的に星細胞の活性化が誘導されることが明らかになった。
また、胆汁うっ滞モデル構築のために、ABCB4KOマウスから得た肝前駆細胞と野生型の胆管細胞を共培養した。野生型肝前駆細胞、ABCB4KO肝前駆細胞、いずれを用いてもHBTO構築は可能であった。初代星細胞とクッパー細胞をHBTOに導入した場合、ABCB4KO肝前駆細胞を含むHBTOにおいて星細胞活性化が促進される傾向が認められた。現在、肝前駆細胞にABCB4KOを用いた場合の星細胞活性化のメカニズムを解析するための検討を行っている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 3件)

  • [雑誌論文] Preparation of Functional Human Hepatocytes Ex Vivo.2022

    • 著者名/発表者名
      Okumura A and Tanimizu N
    • 雑誌名

      Methods in Molecular Biology

      巻: 2544 ページ: 269-278

    • DOI

      10.1007/978-1-0716-2557-6_20.

  • [学会発表] "Liver Regeneration in response to acute and chronic liver injury”2023

    • 著者名/発表者名
      Naoki Tanimizu
    • 学会等名
      APASL 2023 annual meeting (Asian Pacific Association for the study of the liver) ,Taipei, Taiwan Symposium session “Liver injury and regeneration
    • 招待講演
  • [学会発表] 肝臓発生過程の理解に基づくEx vivo組織構造の試み」2022

    • 著者名/発表者名
      谷水 直樹
    • 学会等名
      iMeC-WISEセミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] 「胆管を接続した肝臓オルガノイドを用いた肝疾患モデルの構築」2022

    • 著者名/発表者名
      谷水 直樹
    • 学会等名
      第29回肝細胞研究会 シンポジウム:創薬のための生理学的培養肝組織モデルの開発
  • [学会発表] 「肝臓オルガノイドを用いた肝疾患モデルの構築」2022

    • 著者名/発表者名
      谷水 直樹
    • 学会等名
      第6回東海肝臓病研究会
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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