微生物が産生するヒスチジン連続タンパク質は、ヒト細胞に対して細胞膜透過性を示し、さらに疾患に関与する挙動を示す。本研究では、ヒト血中から類似のヒスチジン連続タンパク質を網羅的に探索したところ、Histidine-rich glycoprotein(HRGP)が細胞膜透過性ヒスチジン連続タンパク質として見出された。さらに、HRGPは亜鉛イオンと結合した状態でヒト細胞内に取り込まれ、細胞内亜鉛イオン濃度を増加させるとともに、ミトコンドリア呼吸鎖複合体の遺伝子発現を抑制することが明らかとなった。すなわち、ヒトの細胞膜透過性ヒスチジン連続タンパク質も同様に疾患に関与する挙動を示すことが示唆された。
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