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2021 年度 実施状況報告書

イネ粒重抑制を解除するアンタゴニストの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K05869
研究機関東洋大学

研究代表者

廣津 直樹  東洋大学, 生命科学部, 教授 (40584389)

研究分担者 加藤 悦子  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 高度分析研究センター, 主席研究員 (00355752)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードX線結晶構造解析
研究実績の概要

本年度は、THOUSAND-GRAIN WEIGHT 6 (TGW6)タンパク質の立体構造を解析した。前年度までに得られた単結晶を用いて、大型放射光施設のSPring-8(BL26B1)にて、得られた結晶のX線回折実験を行った。その結果、TGW6単体のX線回折データを2.6オングストロームの分解能で取得することに成功した。立体構造はTGW6と36%のアミノ酸配列相同性をもつSTR1 (PDB: 2FPB) の構造を用いた分子置換で決定した。構造の精密化を行った結果、R値が22.1%、Rfree値が26.4%のTGW6単体の立体構造を取得した。続いて、TGW6単体とその酵素反応物のIAAとの複合体の立体構造解析を試みた。同様の手順でTGW6-IAAの共結晶を作製し、高エネルギー加速器研究機構(BL17A)でX線回折実験を行った。その結果、分解能が2.3オングストロームの回折データを取得した。単体の構造をもとに原子モデルの構築・精密化を行い、現在までにR値が22.4%、Rfree値が24.5%の構造が得られている。本研究によってTGW6の構造情報が得られ、阻害剤の開発に向けた基盤を手に入れることができた。一方、TGW6-IAA複合体については活性部位内部の電子密度が不明瞭であるため、リガンドの分子モデルを構築できていない。今後は、TGW6-IAA複合体の立体構造を引き続き明らかにしていくとともに、TGW6の基質認識機構の解明を目指してTGW6-IAAおよびTGW6-IAAグルコースの相互作用解析を行っていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、結晶構造解析に成功した。また、これまでのタンパク質精製、結晶化、X線回折実験の部分までをまとめた原著論文を公表することができた。

今後の研究の推進方策

フラグメントスクリーニングや化合物とのドッキングシミュレーションなどを行い、TGW6とヒット化合物との相互作用解析を行っていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

本年度は順調に研究が進捗したため次年度に繰り越した。フラグメントスクリーニングの結果によってヒット化合物を複数購入する必要性が予見されたため、その購入代金に充てる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Expression, purification and crystallization of TGW6, which limits grain weight in rice2021

    • 著者名/発表者名
      Akabane Tatsuki、Suzuki Nobuhiro、Tsuchiya Wataru、Yoshizawa Takuya、Matsumura Hiroyoshi、Hirotsu Naoki、Katoh Etsuko
    • 雑誌名

      Protein Expression and Purification

      巻: 188 ページ: 105975~105975

    • DOI

      10.1016/j.pep.2021.105975

    • 査読あり
  • [学会発表] イネの穀粒サイズを抑制するTGW6の立体構造解析2022

    • 著者名/発表者名
      赤羽根健生、鈴木喜大、土屋渉、吉澤拓也、松村浩由、加藤悦子、廣津直樹
    • 学会等名
      第63回日本植物生理学会年会
  • [学会発表] イネの粒重を抑制するTGW6とそのホモログの立体構造比較2022

    • 著者名/発表者名
      赤羽根健生、鈴木喜大、土屋渉、吉澤拓也、松村浩由、加藤悦子、廣津直樹
    • 学会等名
      第253回日本作物学会講演会
  • [学会発表] イネの粒重を抑制するTGW6のX線結晶構造解析2022

    • 著者名/発表者名
      赤羽根健生、鈴木喜大、土屋渉、吉澤拓也、松村浩由、加藤悦子、廣津直樹
    • 学会等名
      2021年度量子ビームサイエンスフェスタ
  • [学会発表] The purification of recombinant TGW6, which limits the grain size2021

    • 著者名/発表者名
      Tatsuki Akabane, Nobuhiro Suzuki, Wataru Tsuchiya, Etsuko Katoh, Naoki Hirotsu
    • 学会等名
      10th Asian Crop Science Association Conference
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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