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2022 年度 実績報告書

イネ粒重抑制を解除するアンタゴニストの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K05869
研究機関東洋大学

研究代表者

廣津 直樹  東洋大学, 生命科学部, 教授 (40584389)

研究分担者 加藤 悦子  東洋大学, 食環境科学部, 教授 (00355752)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードインドール酢酸 / 基質認識
研究実績の概要

本年度は、TGW6の基質認識機構の解明を目指してTGW6-IAAおよびTGW6-IAAグルコースの相互作用解析を行なった。
TGW6の基質であるIAA-glucose、酵素反応物のIAAとGlucose、およびこれらの類似化合物の合計14種の化合物をサーマルシフトアッセイに用いた。その結果、IAA-glucose、IAA、およびこれらの類似化合物の計4種の化合物がTGW6の熱安定性を向上させた。その一方で、Glucoseやその類似化合物を添加した場合にはTGW6の熱安定性は変化しなかった。これらの結果から、TGW6の基質認識にあたりIAA-glucoseにおけるIAAの部分構造が重要であることが示唆された。また、同様の手順でアンタゴニスト候補とTGW6との相互作用を調査した結果、6種の候補化合物のうちIAAと類似した化学構造を有する2種の化合物がTGW6の熱安定性を向上させた。したがって、薬剤開発におけるシード化合物としてもIAAの化学構造が重要であることが示唆された。
計算化学ソフトウェアによりTGW6とIAA-glucoseのドッキングシミュレーションを行った結果、活性部位の深部にIAAの部分構造が結合し、分子表面側にGlucoseの部分構造が位置する結合様式であることが予測された。IAAと類似した化学構造を持つアンタゴニスト候補においても活性部位深部に結合することが予測され、IAA-glucoseのIAA部分と相互作用する重要なアミノ酸残基が確認された。
本研究によって、TGW6の基質認識において重要な化学構造やその部分構造と共通して相互作用する重要なアミノ酸残基が明らかとなった。これらはアンタゴニスト開発における基盤情報であり、本研究が今後の薬剤開発の指針となることを示している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] イネの収量および栄養価を向上させる創薬2023

    • 著者名/発表者名
      赤羽根 健生、廣津 直樹、加藤 悦子
    • 雑誌名

      アグリバイオ

      巻: 7 ページ: 88-91

  • [学会発表] イネのミネラル利用効率を向上させるINO1アンタゴニストの開発を目指した薬剤探索2023

    • 著者名/発表者名
      赤羽根健生、廣津直樹、神野智司、加藤悦子
    • 学会等名
      第64回日本植物生理学会年会
  • [学会発表] イネの粒重を制御するTGW6の阻害剤候補の選抜と作物科学的評価2023

    • 著者名/発表者名
      赤羽根健生、市川円香、加藤悦子、廣津直樹
    • 学会等名
      日本作物学会第255回講演会
  • [学会発表] イネ粒重を抑制する TGW6 の阻害剤開発を目指した19F NMR フラグメントスクリーニング2022

    • 著者名/発表者名
      赤羽根健生、長門石曉、津本浩平、廣津直樹、加藤悦子
    • 学会等名
      第61回NMR討論会

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公開日: 2023-12-25  

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