赤ワインの赤色はブドウ果皮に含まれるアントシアニンに由来している.アントシアニンは不安定な化合物であり、pHや亜硫酸などの影響によって色調が変化する。 本課題において、アントシアニンは、ブドウ果汁中の主要な有機酸である酒石酸から生成されるグリオキシル酸と非酵素的酸化下で架橋反応を起こし、アントシアニン誘導体を形成した。さらに、アセトアルデヒド及びグリオキシル酸との架橋反応によって生じるアントシアニン誘導体はアントシアニン溶液に比べて亜硫酸及び熱への耐性があり、着色形態で安定化していること明らかとなった。さらに、ワインの試験醸造において、これらの色素が形成された。
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