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2020 年度 実施状況報告書

難吸収性食品成分の腸管上皮における認識・応答の可視化

研究課題

研究課題/領域番号 20K05890
研究機関神戸大学

研究代表者

藍原 祥子  神戸大学, 農学研究科, 助教 (30620877)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード腸管ホルモン / ライブイメージング
研究実績の概要

本研究は、難消化性ながら身体に影響を及ぼす食品成分の機能として腸管上皮による受容と腸脳相関に着目し、作用機序を明らかにするものである。
本年度は、腸上皮での受容を経時的に解析するシステムとして、マウスを用いた腸管上皮のライブイメージング系の構築を行った。細胞の応答は、内分泌に関与するカルシウム流入を捉えるため蛍光共鳴エネルギー移行(FRET)を利用できるカルシウムセンサーであるYC3.60を用いて2波長の蛍光強度の比で計測することにした。観測する細胞を選抜する方法としては、腸管内分泌細胞のほとんどに存在することが最近明らかになったTRPA1を利用することにした。すなわちTRPA1の遺伝子領域にYC3.60を導入したマウスを用い、TRPA1のリガンドを刺激とする応答を計測した。
その結果、TRPA1とYC3.60を発現するマウスでは、リガンドであるアリルイソチオシアネートによるカルシウム濃度上昇が観測されるが、YC3.60のみを発現しTRPA1の遺伝子を欠損したマウスではアリルイソチオシアネートによるカルシウム濃度変化が観測されないという結果が得られ、腸管内分泌細胞における細胞応答が可視化できた。カルシウム濃度変化は取得した画像の蛍光強度を解析することで求めるが、撮影中に動きのある腸管上皮から目的の細胞を絞ることが困難であった。そのため、取得した動画において目的の領域を指定しかつ追尾するプログラムを構築した。その結果、定性的であった結果を定量的に示すことに成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度はイメージングの構築と同時に難消化性食品成分の受容体候補を探索する予定であったが、試薬の購入が遅れたために進めることができなかった。

今後の研究の推進方策

次年度では以下の内容を推進する。
まず、構築したライブイメージング法を用いてさまざまな食品因子に対する腸管内分泌細胞の応答を計測する。応答の観察された食品因子を経口投与する動物実験を行い、刺激に応じた腸管ホルモンの分泌を確認する。
加えて、食品因子の受容・伝達の分子メカニズムを解明するためYC3.60マウス由来のオルガノイドを作成する。
さらに受容体候補の探索は、まずin silicoの解析を探索の足掛かりとすることで実験の精度を高めて実施する。

次年度使用額が生じた理由

当該年度においては動物実験の実施を見直したために使用金額を変更することとなった。次年度については、当該年度に予定していた実験を遂行することで助成金を使用する。

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公開日: 2021-12-27  

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