研究課題
基盤研究(C)
魚油の主成分であるドコサヘキサエン酸の代謝物の一つであるドコサヘキサエノイルエタノールアミドにアレルギー発症予防の可能性を見出した。また、長鎖脂肪酸と2-アミノエタノールとの縮合体を種々合成し、ラット好塩基球細胞株RBL-2H3細胞の抗原誘導性脱顆粒への影響を評価した結果、n-3多価不飽和脂肪酸エタノールアミドは脱顆粒を抑制すること、n-6多価不飽和脂肪酸エタノールアミドは脱顆粒を抑制しないことを見出した。
食品機能学
現在、日本人の約半数がなんらかのアレルギー疾患に罹患しているといわれており、アレルギーは現代の日本人にとって、最も身近な非感染性疾患の一つである。アレルギーの治療には主に抗ヒスタミン薬が使用されるが、眠気、口渇、頭痛などの有害な副作用を伴う場合が多い。本研究の成果として、魚油の摂取がアレルギー発症の予防に関連する可能性を示すことができた。また、各種脂肪酸の摂取とアレルギー予防との関連性の一端を明らかにすることができた。