研究課題/領域番号 |
20K05900
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
藤岡 宏樹 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業情報研究センター, ユニット長 (90392381)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | センサー / 香り / コーヒー |
研究実績の概要 |
本研究は、嗅覚センサー装置を使い、食品の香りを客観的に数値化するシステムの構築を目的としている。これまでの研究では、大型の嗅覚センサーに食品(飲料)の「フレーバーホイール(風味表現)」の香りを学習させて、コーヒー等の香りを表現させる方法の検討を進めてきた。本年度は、小型センサーを用いた簡便なコーヒーの香り評価法の構築を目的として、同じ豆で焙煎度合いの異なるコーヒーについて、官能評価、センサー測定、及び大気圧イオン化質量分析法による揮発成分測定の小規模調査を行なった。本研究における人を対象とする試験は農業・食品産業技術総合研究機構倫理審査委員会での承認を得て実施した。 コーヒーの味と香りの強さについて官能評価(3名)を行なった結果からは、焙煎の深いコーヒーにおいて、摂取時の味の強さのスコアが高い傾向にあり、また、味に影響すると考えられる成分の一部が、コーヒー摂取時の呼気において高い傾向にあった。一方で、一種類の嗅覚センサーを用いて、コーヒー上方から直接測定した結果からは、センサー値と焙煎度合いとの間に相関は認められず、また、同様に上方から測定した質量分析の結果からも、イオン強度の合計と焙煎度合いとの間に相関は認められなかった。 この結果から、小型嗅覚センサーを用いて、コーヒーの味や香りの強さを推定するためには、香り成分に対応可能なセンサーを用いることや、センサー測定に影響を与える要因を減らす工夫が必要であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
小型センサーで上方から測定する方法について、改善のための検討を行なう必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
香り評価法の最適化を進めるため、これまでの研究成果を基に測定方法の工夫や用いるセンサーの種類について検討を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
官能評価試験の実施が遅れたため、この試験結果を基に、センサー測定方法を改善するための補助器具の作製や質量分析等の費用として使用する。
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