乳化剤が抗酸化剤とどのように作用するのか、これまであまり研究例がなかった。本研究では、乳化剤としてグリセロリン脂質を用いて調製されるエマルションにおいて、グリセロリン脂質がどのように抗酸化剤と作用するのか評価した。 グリセロリン脂質に結合する脂肪酸の鎖長を変えてそれぞれエマルションを調製して酸化試験を行い、種々の酸化パラメーターを評価した。その結果、グリセロリン脂質を乳化剤として調製したエマルションは、リン脂質にエステル結合する脂肪酸の鎖長がC18程度であると、酸素の油相に対する攻撃の障壁となること、さらにトコフェロールを油相-水相界面に局在化させることができると示された。
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