研究課題/領域番号 |
20K05918
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大崎 雄介 東北大学, 農学研究科, 助教 (40509212)
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研究分担者 |
白川 仁 東北大学, 農学研究科, 教授 (40206280)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | うっ血性心不全 / 腎障害 / 食品成分 |
研究実績の概要 |
日本国民の長寿化に伴い心不全患者が増加している。近年は心不全患者の中でも、特にうっ血性心不全患者の割合が著しく増加している。うっ血により引き起こされる静脈血のうっ滞は体液貯留を引き起こすことによりうっ血を悪化させて悪循環を形成し、さらには心臓、腎臓、脳といった臓器障害をも引き起こすことが明らかとなってきている。今回我々は、うっ血により腎障害を誘導するモデルを確立させるとともに、うっ血により引き起こされる腎障害を軽減しうる食品成分を探索することにより、うっ血性心不全ならびに付随する体液貯留や臓器障害の予防・改善戦略を確立することを目的としている。 正常ラットの左腎静脈をシルバークリップで狭窄させることにより、片側腎うっ血モデルラットを作出した。RT-PCR法により腎障害マーカー遺伝子発現量を評価したところ、非うっ血腎と比較してうっ血腎ではいくつかの腎障害マーカー遺伝子発現の有意な上昇を認めた。また、偽手術(Sham)群のラットでは左右の腎臓間には腎障害マーカー遺伝子の有意な発現変動を認めなあったことから、当モデルラットにおいては腎うっ血により腎障害が誘導されていることが示唆された。 このモデルラットに、ある食品中に含まれる成分を投与したところ、うっ血じんにおいて上昇が認められた腎組織障害マーカー遺伝子の一部が、その発現量を有意に減少させたことから、今回投与した食品成分は、うっ血により誘導される腎障害を、少なくとも部分的には、軽減させる可能性が示唆された。 今後は、当食品成分による障害軽減作用のメカニズムの解明を進めるとともに、他の食品成分の投与による、うっ血誘導性の腎障害に対する影響について検討を行う必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
腎静脈のうっ滞による腎障害モデルが再現された。また、食品成分の投与により、一部の腎障害マーカー発現量が減少したことから、今回投与した食品成分によりうっ血性腎障害の改善作用が見いだされる結果が得られたことから、研究は順調に進行していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今回、一部の食品成分により腎うっ血による腎障害が改善される可能性が示唆されたことから、本食品成分による腎障害改善機序の解明を試みる。 また、当初計画に合ったとおり、他の食品成分の投与による腎静脈うっ滞による腎障害に対する改善効果について検証を進めることとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染蔓延の状況下において、研究活動が制限された期間があり、また、研究打合せならびに学会参加のための出張を行うことができなかったため、次年度使用額が生じた。当該予算は次年度以降の研究物品費ならびに、感染収束後の出張旅費に充てる。
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