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2023 年度 実績報告書

糖尿病性認知症に寄与する食品成分の時空間的制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K05924
研究機関神戸大学

研究代表者

山下 陽子  神戸大学, 農学研究科, 准教授 (10543796)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード黒大豆 / ポリフェノール / 認知機能
研究実績の概要

本研究では、糖尿病性認知症の予防改善に寄与する食品成分とその作用機構の解明を行なった。最終年度では、これまでに明らかにしてきた黒大豆ポリフェノールの認知症予防効果の作用機構の解明を行なった。その結果、黒大豆ポリフェノールの認知症予防効果は、海馬におけるミクログリアの活性化とTauタンパク質の蓄積を予防し、炎症マーカーの発現を予防していることがわかった。また、興味深いことに、黒大豆ポリフェノールのこれらの効果は、摂取を中止したあと3ヶ月間は持続していることも判った。しかし、長期間の試験期間では、老齢による影響が強く出るために、普通食郡と高脂肪食(糖尿病)群との間での差は認められなかった。次に、黒大豆ポリフェノール中の活性成分の探索を実施した。その結果、黒大豆種皮に含まれる主要な化合物のうち、シアニジン3グルコシドが脳のミクログリア活性の予防に強く寄与することが判った。さらに、シアニジン3グルコシドの代謝物であるプロトカテク酸が活性本体であることを示唆する結果を得た。プロトカテク酸は、高脂肪食に含まれるパルミチン酸が誘導する脳内炎症を予防し、その作用機構はIκBαのユビキチン化を抑制することでNF-kBの発現を予防し、炎症を抑制しているという作用機構が関与していることを明らかにした。以上のことから、黒大豆種皮ポリフェノールは、脳内炎症誘導を予防することで認知症を予防する食品成分となりうる成果を得た。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (6件)

  • [学会発表] クロダイズ種皮ポリフェノールによる糖尿病関連性認知症の予防改善効果について.2023

    • 著者名/発表者名
      上田 祐聖, 西嶋 俊貴, 芦田 均, 山下 陽子
    • 学会等名
      第77回日本栄養・食糧学会大会
  • [学会発表] クロダイズ種皮ポリフェノールは高脂肪食が誘導する視床下部の炎症を抑制し肥満を改善する.2023

    • 著者名/発表者名
      廣直 賢勇, 芦田 均, 山下 陽子
    • 学会等名
      第77回日本栄養・食糧学会大会
  • [学会発表] クロダイズ種皮に含まれるポリフェノールは高脂肪食が誘導する視床下部炎症を抑制する.2023

    • 著者名/発表者名
      廣直 賢勇, 芦田 均, 山下 陽子
    • 学会等名
      第76回日本酸化ストレス学会学術集会
  • [学会発表] シアニジン3-グルコシド代謝物がミクログリア細胞にもたらす抗炎症効果とその標的タンパク質の探索.2023

    • 著者名/発表者名
      廣直 賢勇、芦田 均、山下 陽子
    • 学会等名
      日本ポリフェノール学会第16回学術集会
  • [学会発表] 飽和脂肪酸誘導性ミクログリア炎症応答に対するプロトカテク酸の効果.2023

    • 著者名/発表者名
      廣直 賢勇, 山下 陽子, 芦田 均
    • 学会等名
      第28回日本フードファクター学会学術集会
  • [学会発表] クロダイズ種皮ポリフェノールによる糖尿病関連性認知症の予防効果2023

    • 著者名/発表者名
      上田 祐聖, 西嶋 俊貴, 芦田 均, 山下 陽子
    • 学会等名
      第28回日本フードファクター学会学術集会

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公開日: 2024-12-25  

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