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2022 年度 実績報告書

新規物性を有するエマルション食品の構造と内在成分放出挙動の相関

研究課題

研究課題/領域番号 20K05926
研究機関九州大学

研究代表者

井倉 則之  九州大学, 農学研究院, 教授 (30260722)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードエマルション / 食品 / 香気 / ゲル / テクスチャー
研究実績の概要

2022年度は、この2年間で得られたエマルションおよびそのゲルへの多糖類やタンパク質など食用高分子を添加した時の香気成分放出挙動に及ぼすエマルションの流動特性及びそのゲルの物性あるいは構造の影響について検討を行った。特に寒天エマルションゲルに異なる起源のデンプンを添加した時の香気成分放出挙動と物性ならびに構造の影響について検討を行った。
デンプン濃度の増加による寒天エマルションゲルの物性変化を調査した結果、全てのゲルにおいてかたさは減少、凝集性と付着性は増加した。特に、バレイショデンプンを用いた際に嚥下食の許可基準に適したやわらかく、凝集性が大きいゲルを得られた。また、香気成分の放出挙動について調査した結果、デンプン濃度の増加に伴い香気成分の放出量は低下する傾向がみられたが、香気成分によっては少量のデンプン添加により放出量が増加しており、沸点の高い成分ほど、放出量が増加する傾向が認められた。
以上、2020年度から2022年度の研究より、エマルションゲルに添加する食用高分子(由来の異なるデンプン、ペクチン等の多糖類、大豆タンパク質をはじめとしたタンパク質)を選択するあるいは組み合わせることによってその物性を変えることが可能であり、例えば嚥下食に適したものにその物性を近付けられることを明らかにしてきた。さらにこのとき、エマルションという油相と水相からなる特殊な構造を有するゲルからの香気成分の放出挙動を明らかにし、香気成分の種類によってはより香り立ちをよくすることができることを示唆する結果を得た。これらのことから食感ならびに風味の観点から、エマルションゲルの嗜好性の向上に繋げられることを明らかにした。以上の成果は今後の食品産業の発展に大きく寄与すると期待している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] Effect of different rhizome starches on agar emulsion gel characteristics for the dysphagia diet2022

    • 著者名/発表者名
      TRUONG MINH HANG、坂元渚、竹下奈津美、椿俊太郎、井倉則之
    • 学会等名
      第59回化学関連支部合同九州大会
  • [学会発表] 大豆タンパク質がエマルションゲルの物性に及ぼす影響2022

    • 著者名/発表者名
      竹下奈津美、坂元渚、椿俊太郎、井倉則之
    • 学会等名
      第59回化学関連支部合同九州大会
  • [学会発表] O/Wエマルションの連続相・分散相粘度が香気成分放出に及ぼす影響2022

    • 著者名/発表者名
      竹下楓見子、岩航平、椿俊太郎、井倉則之
    • 学会等名
      第59回化学関連支部合同九州大会
  • [学会発表] デンプン添加が寒天エマルションゲルの物性および香気成分放出挙動に及ぼす影響の調査2022

    • 著者名/発表者名
      坂元渚、TRUONG MINH HANG、椿俊太郎、井倉則之
    • 学会等名
      2022年度(公社)日本食品科学工学会西日本支部および(公社)日本栄養・食糧学会九州・沖縄支部合同大会

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公開日: 2023-12-25  

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