• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実績報告書

腸でのアミロイド形成抑制を介した抗老化食品機能成分の新規作用機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K05939
研究機関広島大学

研究代表者

松原 主典  広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (90254565)

研究分担者 味八木 茂  広島大学, 病院(医), 講師 (10392490)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード抗老化 / アミロイド / 腸管分泌細胞 / 発酵食品 / 微生物
研究実績の概要

アミロイド病患者では,大腸においてペプチドYY(PYY)・ソマトスタチン・セロトニンを産生する腸管内分泌細胞(EEC)に変化が起きることが報告されている。そこで,発酵微生物および発酵食品を投与した老化促進マウスSAMP8の大腸について検討を行った。その結果,マウスの老化度評価で抗老化効果を示した発酵微生物では,PYY産生細胞数とセロトニン産生細胞数が対照群よりも有意に多いという結果になったが,投与量を10倍にした場合には有意差が認められなかった。また,外観上,明確な抗老化効果を示さなかった発酵食品については,PYY産生細胞数とセロトニン産生細胞数は対照群との間に有意な差は認められなかった。一方,脳機能等で抗老化効果を示す発酵微生物の場合,PYY産生細胞数が対照群よりも有意に多いが,セロトニン産生細胞数は対照群よりも有意に少ないという結果になった。これらの結果から,発酵微生物摂取による抗老化効果には,EECの中でもPYY産生細胞数の維持が重要である可能性が示唆された。また,アミロイド病患者の腸管ではセロトニン産生細胞が健常者よりも多くなる傾向があることから,発酵微生物の摂取によるセロトニン産生細胞数の増加抑制も重要な作用だと考えられる。加えて,抗老化効果を示した発酵微生物では,腸管のサイズ(直径)が対照群よりも小さいという結果も得られた。これは,腸管細胞の加齢による変化を抑制したことによる可能性がある。
以上の結果から,発酵微生物の摂取は腸管でのECCの加齢に伴う変化を抑制し,それが腸管などの機能を維持し,個体の老化進行が抑制されるという作用機序が推察される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] グリセロホスホコリンの脳機能低下抑制作用機序の検討2023

    • 著者名/発表者名
      海野美月,藤井力,松原主典
    • 学会等名
      日本農芸化学会2023年度大会
  • [学会発表] 老化促進モデルマウスを用いた紅麹菌が老化に与える影響の検討2022

    • 著者名/発表者名
      青木美樹,松原主典,尾關佑樹,深見裕之,加藤範久
    • 学会等名
      第68回 日本家政学会中国・四国支部 研究発表会
  • [学会発表] 納豆菌の老化促進モデルマウスSAMP8での抗老化効果の検討2022

    • 著者名/発表者名
      原田真里那,青木美樹,海野美月,松原主典
    • 学会等名
      老化促進モデルマウス(SAM)学会学術大会
  • [学会発表] SAMP8マウスにおいて脳機能保護効果を示す食品機能成分の作用機序の検討2022

    • 著者名/発表者名
      海野美月,原田真里那,青木美樹,味八木茂,松原主典
    • 学会等名
      老化促進モデルマウス(SAM)学会学術大会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi