植物が自らの姿勢を正常に維持するための情報源として利用して来たのが重力である。ペクチン、ヘミセルロース、細胞壁構造タンパク質を改変した40種以上イネより、重力屈性が変化したイネの同定を試みた。その結果、倒伏させた状態から回復する角度を調査した結果、キシロシダーゼ過剰発現イネで約46%高く、β-キシラナーゼ過剰発現イネでは約10%低いことが明らかとなった。また、花粉管の通り道である花柱の力学的性質を決定するペクチンが、物理的障害として受精の調節を担っているかどうかについても調査した。ペクチンメチル基転移酵素の変異体では、雌しべの花柱の力学的性質に異常が生じ、花粉管が不通過となった。
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