研究課題
本研究の目的は、細胞膜ナノドメインが制御する植物免疫経路を特定し、病害抵抗性におけるナノドメインの重要性を明らかにすることである。細胞膜にはスフィンゴ脂質やステロールを主要構成脂質とするナノドメイン領域が点在する。ナノドメインはタンパク質の活性や相互作用を制御することにより、植物免疫を含む多様な生理機能に関与することが示唆されているが、ナノドメインの役割については未だ多くの謎が残されている。これまでに、スフィンゴ脂質の2-ヒドロキシ脂肪酸が植物のナノドメイン形成の鍵となることを見出し、その合成酵素FAH1とFAH2の二重変異体fah1fah2においてナノドメインが減少することを明らかにしている。また、主要な免疫タンパク質がナノドメインに局在することも生化学的に示している。さらに、病害応答時にナノドメインの分布が変化することを明らかにしている。本年度は、ナノドメインが表層微小管によって組織化されることを、イメージング解析により明らかにした。また、ナノドメインの病害応答時の動態変化も、表層微小管の動態と連動している可能性が示唆された。
すべて 2024 2023
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 6件)
Plant Direct
巻: 7 ページ: e529
10.1002/pld3.529
Plant Science
巻: 336 ページ: 111840~111840
10.1016/j.plantsci.2023.111840
The Plant Journal
巻: 115 ページ: 1071~1083
10.1111/tpj.16281
Journal of Plant Physiology
巻: 283 ページ: 153950~153950
10.1016/j.jplph.2023.153950