イネ科の通気組織は,植物のプログラム細胞死のモデルであり,またトウモロコシやオオムギ,コムギなどの重要な畑作物が形成することから,その分子機構に関する研究や遺伝資源を利用した解析など多数の報告がなされている.その一方で,二次通気組織は一部のマメ科植物が形成するが,作物としてはダイズでのみで報告されており,その具体的な知見は非常に限られている.また,ダイズを主として栽培している海外の国では耐湿性よりも乾燥耐性が着目されており,湿害が問題となっているのは降雨量の多いアジアである.このことからダイズの耐湿性の改良は世界的にみても遅れている状況であり,本研究の社会的意義は高い.
|