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2022 年度 実績報告書

イネの倒伏抵抗性を向上させる異なる稈内炭水化物蓄積機能の両立性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K05993
研究機関宇都宮大学

研究代表者

柏木 孝幸  宇都宮大学, 農学部, 准教授 (40595203)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード炭水化物蓄積 / 倒伏抵抗性 / QTL集積 / イネ
研究実績の概要

異なる稈内炭水化物蓄積特性を有する遺伝子座を集積したピラミディング系統 (PL-BSUC11+prl5及びPL-BSUC11+PRL4) について、稈内の構造性及び非構造性炭水化物 (NSC) 蓄積特性及び倒伏抵抗性をコシヒカリと比較した。コシヒカリにおける第2節間の構造性炭水化物蓄積量は出穂以降ホロセルロース及びヘミセルロースが減少し、α-セルロースは出穂後2週目以降に減少した。PL-BSUC11+prl5はコシヒカリと比べて出穂後4-6週目において約20%高い構造性炭水化物蓄積量を示したが、PL-BSUC11+PRL4は同等の構造性炭水化物蓄積量を示した。また、2つのピラミディング系統は、コシヒカリと異なり出穂後4週目までα-セルロースを蓄積した。2つのピラミディング系統の基部節間のNSC蓄積量は出穂後4週目までコシヒカリと類似していたが、6週目にコシヒカリと比較してPL-BSUC11+prl5は3.0倍、PL-BSUC11+PRL4は2.4倍のNSCを再蓄積していた。倒伏抵抗性において、PL-BSUC11+prl5は出穂後2週目以降に基部節間の圧縮抵抗をコシヒカリよりも高く維持し、出穂後6週目には第2節間の挫折抵抗も高くした。一方でPL-BSUC11+PRL4は出穂後6週目にコシヒカリよりも高い基部節間の圧縮抵抗を示したが、第2節間の挫折抵抗は同等であった。下位部の押し倒し抵抗では両系統ともに有意に高い値を示したが、植物体角度ではPL-BSUC11+PRL4のみ有意に向上した。本研究の結果、BSUC11とprl5の集積では稈の炭水化物蓄積特性及び物理特性のおける集積効果が確認されたが、BSUC11とPRL4の集積ではBSUC11の機能が消失することが明らかになった。また集積による植物体角度への効果は他形質の変化が影響することが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Novel QTL for lodging resistance, PRL4, improves physical properties with high non-structural carbohydrate accumulation of basal culms in rice (Oryza sativa L.)2022

    • 著者名/発表者名
      Takayuki Kashiwagi
    • 雑誌名

      Euphytica

      巻: 218 ページ: 83

    • DOI

      10.1007/s10681-022-03036-6

    • 査読あり
  • [学会発表] イネの上位部稈物理的強度に関与するBSUC11領域の矮小化及び湾曲型倒伏に対する効果2023

    • 著者名/発表者名
      柏木孝幸、宗方淳
    • 学会等名
      日本作物学会第255回講演会
  • [備考] 「PRL4」の同定と機能

    • URL

      https://shigen.mine.utsunomiya-u.ac.jp/cropscience2/lodging/

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公開日: 2023-12-25  

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